所得税の外国税額控除

国際課税

 前回の続きです。日本の居住者なら、海外不動産を譲渡した人は、国内不動産を譲渡した時と同じように、利益がでたなら確定申告が必要です。そうなると、日本と外国で二重に税金が課せられることになるわけですが、それを調整する仕組みが外国税額控除というものです。

 難しい言い方をすれば、「国際的な二重課税を排除するために、日本の居住者が外国に納付した税額を、一定限度額の中で、その居住者が納付すべき所得税額から控除する制度」と言うことになります。

 ここで多くの人は、なぜ外国で払った税金を全額認めて引いてくれないのか、なぜ外国で払った税金に引ける限度を設けているのか、と考えるかもしれません。これには、日本にも税金を払ってほしいという税務当局の財政上の要請が背景にあります。仮に、外国の税率が日本の税率よりも高い場合には、外国税額控除を全額認めてしまうと、日本に収める税金が無くなってしまいます。そこで、一定の限度額を定めることで、日本でも一部税金を確保したいという思いがあるわけです。

 一定の限度額のことを、専門的には控除限度額と言うのですが、またこれが複雑な計算で、個人の確定申告を初めてする人には、理解するのが難しい仕組みかもしれません。通常は、国の税金を計算する所得税の確定申告ですから、国の税金である国税だけを中心に考えればいいのですが、この控除限度額には、国税以外に、地方税と呼ばれる道府県民税、市町村民税の計算が関わってきます。

 参考までに計算式の一例を紹介すれば、

 国の限度   = 所得税額×調整国外所得÷所得総額

 道府県の限度 = 国の限度×12%(又は6%)

 市町村の限度 = 国の限度×18%(又は24%)

 となりますが、この①国の限度②道府県の限度③市町村の限度の合計が、基本的には控除限度額と言うことになります。

 この控除限度額の計算は、外国で確定申告をして外国税額が還付された場合などに、非常に重要な計算過程となります。(次回に続く)

 参考:国税庁HP「居住者に係る外国税額控除」

 参考:国税庁HP「外国税額控除を受けられる方へ」

 参考:所得税の外国税額控除2

コメント

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