3つの時価

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楽天が過去最大の赤字1,141億円との記事がありました。携帯・物流の先行投資が影響したようですが、電子商取引の取扱高は拡大し、コロナ禍では勝ち組のビジネスです。

そしてこの数字、会計基準がIFRSですので、国際化の進展も複雑に日本社会に浸透してきているような気がします。近い将来、税法にも影響がでるかもしれません。非上場株式を時価評価する時代がくるのでしょうか。

ところで、相続税では税金を計算するときに、相続財産がいくらなのかを計算する必要があります。財産評価といったりしますが、これは相続日時点での時価を基本とします。

実はこの「時価」という言葉、税の世界では古くて新しい厄介な言葉で、税法(法人税、所得税、相続税)ごとに、その言葉の指す意味を検討しなければなりません。

例えば法人税法では、寄附金(法37条)や売買目的有価証券の評価(法61の3)で、所得税法では、収入すべき金額(所36条)や資産移転時の価額(所59条)などで検討することがあります。所得税法のほうが法人税法より、時価の価格形成の考え方が柔軟な印象です。

ちなみに相続税法ではこの時価を、財産の取得の時における時価(相22条)と法律に定め、さらに時価の解釈として財産評価基本通達で具体的な評価方法を定めています。

適用される税法が異なれば、時価へのアプローチも異なります。

 参考:国税庁HP「租税法上の時価を巡る諸問題」