国際化と住所の推定

国際課税
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ネットで元クレディースイスのトレーダーが仮想通貨で資産を築いたとの記事がありました。今や暗号資産と呼ばれる仮想通貨ですが、10年近く前の技術に初期投資の段階で、一般社会に浸透する将来性を見抜いたその先見の明が、資産形成成功の秘訣なのかもしれません。全てが国境を越えてデジタル化した社会に、暗号資産は非常に親和性が高かったということです。

10年後の将来を見据えて個人ができる資産運用はなにか、世の中の動きを機敏に察知して環境の変化にも対応していく必要がありそうです。

ところで今回は、個人の税金にとって大切な住所を定める税法の一部を紹介します。所得税法の中にある、国内に住所があると推定される規定です。

個人が海外を頻繁に往来することは当たり前の時代になりましたが、その個人が国内に住所を有する者かどうかは、税の世界では非常に重要なこととなります。

【所令第十四条・第十五条】

第十四条 国内に居住することとなった個人が次の各号のいずれかに該当する場合には、その者は、国内に住所を有する者と推定する。

一 その者が国内において、継続して一年以上居住することを通常必要とする職業を有すること。

二 その者が日本の国籍を有し、かつ、その者が国内において生計を一にする配偶者その他の親族を有することその他国内におけるその者の職業及び資産の有無等の状況に照らし、その者が国内において継続して一年以上居住するものと推測するに足りる事実があること。

2 前項の規定により国内に住所を有する者と推定される個人と生計を一にする配偶者その他その者の扶養する親族が国内に居住する場合には、これらの者も国内に住所を有する者と推定する。

第十五条 国外に居住することとなった個人が次の各号のいずれかに該当する場合には、その者は、国内に住所を有しない者と推定する。

一 その者が国外において、継続して一年以上居住することを通常必要とする職業を有すること。

二 その者が外国の国籍を有し又は外国の法令によりその外国に永住する許可を受けており、かつ、その者が国内において生計を一にする配偶者その他の親族を有しないことその他国内におけるその者の職業及び資産の有無等の状況に照らし、その者が再び国内に帰り、主として国内に居住するものと推測するに足りる事実がないこと。

2 前項の規定により国内に住所を有しない者と推定される個人と生計を一にする配偶者その他その者の扶養する親族が国外に居住する場合には、これらの者も国内に住所を有しない者と推定する。

これらの条文は個人の国際税務では極めて重要です。

ちなみに、相続税法は所得税法のような推定規定を定めていないので、住所についてはより慎重な判断を求められます。