株式所有と事業承継

相続税
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日本銀行金融研究所の論文に「わが国における企業会計資本の行方―IFRSとの関係から」が掲載されていました。会社法における資本制度について、大学時代のゼミ担当教授の考えが紹介されていましたが、国際化が進んだ現在、日本の会計制度も世界標準への対応をより求められていると感じました。

当時は経営財務論のゼミに所属して、株式会社制度における所有と支配の構造の研究に没頭しましたが、これがその後の仕事に大きく役立ちました。株式の所有と支配は、同族会社の事業承継上、非上場株式の評価と密接に関わり、相続対策の重要なポイントになるからです。

特にこれが国際的な資本取引になると、海外信託を利用して実質的な支配を残したまま、法的所有を切り離すことが可能となります。英国や米国のようなコモンローの国では、信託が相続対策として一般的に利用されていますが、国際化と高齢化が進んだ日本でも、海外資産の管理運用などにこれらのビークルが利用されるケースは増えるかもしれません。

 参考:日本銀行金融研究所HP「わが国における企業会計資本の行方―IFRSとの関係から」