相続税に関心のある事業経営者の方の中には、事業承継税制という言葉を聞いたことがあるかもしれません。これは、経営している非上場会社の株を子供が親から贈与や相続で取得したときに、経営承継円滑化法に基づく都道府県知事の認定を受けると、贈与税や相続税の納税が免除(猶予)されるとう措置法です。
平成30年の税制改正で見直されて、相続税の節税対策として検討する価値のある制度になったと考えています。条文の構成を紹介すると、改正前後で一般措置と特例措置に大きく分かれ、どちらかを選択することになりますが、検討するなら特例措置です。
(一般措置)
第70条の7 贈与税の納税猶予及び免除
第70条の7の2 相続税の納税猶予及び免除
第70条の7の3 贈与者が死亡した場合の相続税の課税の特例
第70条の7の4 贈与者が死亡した場合の相続税の納税猶予及び免除
(特例措置)
第70条の7の5 贈与税の納税猶予及び免除の特例
第70条の7の6 相続税の納税猶予及び免除の特例
第70条の7の7 特例贈与者が死亡した場合の相続税の課税の特例
第70条の7の8 特例贈与者が死亡した場合の相続税の納税猶予及び免除の特例
各条文の説明は複雑なので記事にしませんが、現時点では特例措置は10年間の時限措置ですので、身近な専門家に一度聞いてみるのもいいかもしれません。
非上場株式の相続税の節税対策には、信託等を利用した複雑なスキームもありますが、国が事業承継を後押ししているので、これらの制度を十分に生かして適正に申告してくことが、事業経営者の資産家の方には最も安全な節税方法だと考えます。