米国出国税の取得費時価計上

国際課税
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日本の大手自動車メーカーの元CEOであるカルロス・ゴーン氏が、フランスの検察当局から国際逮捕状を発布されたそうです。日本の刑事司法を批判して自らの潔白を主張し続けましたが、ここにきてフランスからも彼の個人資産に対して違法性の目が向けられました。

日本では彼には金融商品取引法と会社法の違反容疑がかけられましたが、どちらの国にも共通して言えることはお金が絡んだ疑惑ということです。会社資金と個人資産の不明瞭さが問題の本質ですが、社会的な影響が大きいだけに司法当局も徹底的に争うと思います。

ところで今回は、米国で株を時価で譲渡したとみなされて納税した個人が、その後日本で株を売った時の取得費の話を紹介します。

米国内国歳入法では、永住権を放棄して米国出国税の対象となったとき、資産のキャピタルゲインについて課税関係が発生します。これは、日本の国外転出時課税の特例と同じ法令の規定なので、その株を日本で譲渡した場合、米国出国税時価額が取得費になるというものです。

国外転出時課税は多くの人には馴染みのない税法かもしれません。

国税庁のホームページに質疑応答として本日リリースされていますので、ご興味のある方は直接ご覧ください。

参考:国税庁HP「米国の永住権の放棄により所有する有価証券について譲渡があったものとみなされて外国所得税を課された場合の有価証券の取得費について」