オランダ法人の株主

国際課税

 2月1日付のJETROビジネス短信に、オランダ政府が日本からの入国制限を再導入するとの記事が載っていました。EU理事会の勧告を受けた形ですが、ヨーロッパでも日本のコロナ感染拡大に危機感があるのでしょう。

 日本との関係でオランダは、江戸時代の鎖国に唯一取引があった珍しい国ですが、最近では日本のITベンチャーが、ヨーロッパ進出の足掛かりとしてオランダに法人を設立するとの話も聞かれます。

 海外からの投資を期待するオランダには、他のヨーロッパ諸国に比べ、ビジネス上の優位性があるのでしょう。税制面でも、オランダは各国との租税条約を数多く結んでおり、外資の誘致に積極的な印象です。

 オランダの進出にあたっては、主に次のような事業形態が用いられますが、最も多く利用されているのはBVです。

非公開有限責任会社:BV(Besloten vennootschap)

公開有限責任会社 :NV(Naamloze vennootschap)

一般的なパートナーシップ :VOF(Vennootschap onder firma)

リミテッドパートナーシップ:CV(Commanditaire vennootschap)

 非公開有限責任会社について少しだけ補足すると、これは日本の合同会社に近い形態で、設立には個人又は法人の発起人が公証人の面前で定款を作成(代理人対応可)する必要があるのですが、発起人はオランダ国民やオランダ居住者である必要はありません。

 また、株券は無記名では発行できず、株式登録簿への記載と株式譲渡制限条項の定款記載を考慮しなければなりません。相続対策としてオランダ法人を利用する場合には、現地の専門家のアドバイスが必要になると思います。議決権を切り離した信託証書を利用して事業体を管理するケースもあるでしょう。いずれにせよ、個人株主で資産管理会社等を設立したときは、株式の取り扱いに注意が必要です。

 特に株を譲渡又は贈与して名義変更するときは、日本の税制上、譲渡所得課税や贈与課税が発生する可能性があり、海外の非上場株式の評価(時価)の問題も複雑に絡んできます。

 近年では、UBO(Ultimate Beneficial Ownership)の登録により、財団や信託の支配に関しても、世界的な情報公開の時流があります。海外で信託証書を保有する個人も、海外法人の株式の保有と同様に、繊細な税務マネージメントが求められる時代になりそうです。

 参考:国税庁HP「オランダの税務行政と税制の概要」

 参考:Taxes, benefits and allowances by Government of the Netherlands

コメント

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