ハワイの不動産評価

国際課税
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コロナ禍でもオアフ島の不動産価格は安定しているようです。

もちろん島が広いので、価格は物件の場所や状態にもよりますし、不動産といってもコンドミニアムから戸建てまであり、購入層もローカルから米国本土と様々ですから、価格形成や変動の要因には詳細な分析が必要です。

ちなみにハワイの不動産の法律関係ですが、大きく別けて2つに分類することができます。一つは「Freehold Estate」、もう一つは「Leasehold Estate」です。さらに「Freehold Estate」は「Fee Simple」と「Life Estate」に分類することができます。ハワイの不動産を購入したことがある方は、「Fee Simple」という言葉を聞いたことがあるかもしれません。日本語では単純不動産権と訳されることが多いですが、これは日本の所有権に近いものになります。

また「Fee Simple」は、「Fee Simple Absolute」と「Conditional Fee Estate」に区分することができ、一般的に「Fee Simple」と言えば「Fee Simple Absolute」を意味します。

「Conditional Fee Estate」は「Fee Simple Absolute」に条件が加えられているケースで、「Fee Simple Determinable」と「Fee Simple Subject to Condition Subsequent」にさらに細分することができます。両者ともに条件付きの不動産ですが、前者は限られた時間の中で不動産に対する権利が認められるもので、後者は元オーナーが権限を復帰させる場合に、法的措置が必要となるものです。

ちなみに、これら海外資産の相続税法上の評価ですが、通達では、

「国外にある財産の価額についても、この通達に定める評価方法により評価することに留意する。なお、この通達の定めによって評価することができない財産については、この通達に定める評価方法に準じて、又は売買実例価額、精通者意見価格等を参酌して評価するものとする。(財産評価基本通達5-2)」

と定められ、さらに国税庁質疑応答事例では、

「土地については、原則として、売買実例価額、地価の公示制度に基づく価格及び鑑定評価額等を参酌して評価」

と回答しています。

ハワイの複雑な不動産所有形態の評価は、日本の税法や民法と異なるコモンローが背景となるだけに、慎重な判断が必要です。